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梅毒を引き起こす原因は何?どんな症状が出たら疑った方が良いのか?

病原体

性感染症の種類には実にたくさんのものが存在していますが、日本人にも古くからなじみがありかつ、症状が進むとひどい状況に陥る感染症の1つとして、梅毒が挙げられます。性行為などに伴って感染する好天梅毒の他にも、胎児期に影響を受けることで現れる先天梅毒もあり、その種類は多岐に及びます。好天梅毒は主に性行為によって感染し発症する梅毒のことで、3週間から13週間の潜伏期間を経て、症状が表に現れるのが特徴で、先天梅毒は治療が不十分な状況で妊娠した時、胎児に影響が生じるものです。流産や死産になる可能性が高くなることのほか、出生した乳児に症状が現れることもあり、十分な注意が必要です。

この感染症の原因になる病原体として挙げられるのが、螺旋状で細長い形のトレポネーマパリダムという細菌の1種で、人工的に増殖させることは難しく、生体が完全に解明されていません。ただ、トリポネーマパリダムは抗生物質の効き目が高く、治療自体は難しくないという特徴も同時に併せ持っています。性行為などによって発症する後天梅毒は、症状や感染後の経過時間に応じて第1期から第4期に分類され、それぞれで異なる症状が現れます。

感染から3ヶ月までの第1期では、性器の周りや口・肛門などトリポネーマパリダムが侵入してきた箇所に隆起ができることがあり、これが初期硬結などと呼ばれるしこりです。硬く小さな赤い隆起で、この硬結部分を中心に徐々に潰瘍を生じてくるのが特徴で、潰瘍は硬性下疳と呼ばれ、痛みはありません。鼠径リンパ節に腫れが生じることもあり、横げんや横根などと呼ばれ、感染してから3週間以降に足の付け根に生じることが多く、痛みを伴わないのが特徴です。ただこれらの症状は、3週間から12週間で自然に消失してしまうことも多く、気づきにくいことの一因となるため、梅毒と診断されることは比較的この時期は稀です。

感染後3ヶ月から3年が第2期で、手のひらや足の裏・体幹を中心に赤い発疹が現れてきますが、この見た目がバラの花に似ていることからバラ疹と呼ばれることもあります。手足の発疹は体の中に入ってきたトリポネーマパリダムが全身に広がるために生じ、現在ではこの時期までに治療介入ができるほど診断・治療方法は確立しています。

梅毒に感染してから3年から10年が第3期で、この時期まで治療をすることなくさらに症状が進むと、皮膚や筋肉・骨などにゴム腫と呼ばれるゴムのような硬さの腫瘍が現れるようになるので、特に注意が必要です。感染後10年以降は第4期で、ここまでになると体の奥深くまで病変が生じ、大動脈や中枢神経にも影響が現れ始めます。第4期まで進むと髄膜炎や脳梗塞・神経症状・心不全など、重篤な症状が見られるようになり、早急に病院などの然るべき機関で治療を開始しなければなりません。